衛生を保つために使い捨て手袋を使っているのに「さらに除菌が必要なの?」と思っている方は多いはずです。
ただ、手袋に菌が付着する原因の多くは、手袋を着用するときに触れる手指からであるため、手袋を着けたあとに菌が付着させてしまいます。
手指が手袋に菌を付着させる
手が汚れている状態であれば、手袋が汚れてしまうと理解できますが、菌は目では捉えられないので手袋に「付着する」「付着した」とは気づけません。
そのために手洗いをして「菌を落としている」と思うのですが、手指に付着している菌は簡単に洗った程度では完全に洗えてません。
そのため、手袋を装着するときに菌が付着する可能性があるのです。手指は微量ながらも汗が出て皮脂もありますので、菌の増殖を促す可能性があります。
手袋内部では手汗により湿潤が保たれ、手袋を長時間着用すると、手袋の内部で手に存在する菌(例えば黄色ブドウ球菌等)が増殖し、手袋の脱着時に付着する可能性が高まります。
他にも手袋に微細な穴など不良がある場合は、内部から菌が外部へ拡散する可能や、食品などから菌が手袋に付着して菌が増殖する可能性もあります。
使い捨て手袋は万全ではない
菌にとって人の身体は快適な環境です。
「使い捨て手袋は安全である」と過信してしまうと、菌を繁殖させてしまう原因となります。
手袋を着用したまま長時間作業を行ったり、手袋の使い回しをしたりすることは避けるべきと言われ、手袋を交換した後は、必ず手洗いを行うことが推奨されているのは、このような原因があるからです。
手袋の除菌は有効か?
世界保健機関(WHO)が推奨する5つのタイミング(患者に触れる前、清潔/無菌操作の前、体液に曝露された可能性のある場合、患者に触れた後、患者周辺の環境や物品に触れた後)という医療現場による実験の報告があります。
この報告では「手袋をしたままアルコール擦式消毒を行うことは、手袋の交換に比べて効果は劣るが、試験の参加者が通常行っている対応と比較すると大幅に汚染を減少させた」とあります。
米国・メリーランド大学のKerri A. Thom氏らによるInfection Control & Hospital Epidemiology誌オンライン版2023年11月23日号の報告より。
ただし、この報告は医療機関で患者を対象とした試験であり、食品衛生にそのまま適用されるものではありませんが、手袋をしたままでアルコール消毒を行うことの効果が示された報告になります。
ただし、手袋の上からアルコール消毒を行うと、手袋が破損する恐れがあるため注意が必要であるとされています。
完璧ではないアルコール消毒
「手袋除菌はアルコール消毒すれば良い」と思うのは時期早々で、そう簡単にいかないから衛生管理は大変です。アルコール消毒は手軽で除菌効果もありますが、すべてのウイルスや菌に対して効果があるわけではありません。
アルコール消毒が効きにくいウイルスや菌も存在します。ノンエンベロープウイルス、ノンエンベロープウイルスは、エンベロープ(ウイルスの外側を覆う脂質二重層膜)を持たないためアルコールに対して強く、ノロウイルスやロタウイルスなどがこれに該当します。
アルコールでは効きにくい場合は、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系除菌剤を併用することが有効とされてます。
アルコール消毒してから、次亜塩素酸ナトリウムで消毒すれば除菌効果は高くなりますが、最大限の除菌効果を得るには、噴霧後に手袋が乾くまで待つ必要があるため、除菌に時間がかかってしまいます。
除菌効果を高くする
除菌効果を高めるために以下の方法がおすすめです。
〇徹底した手洗い
〇手袋を装着する時に手指を極力触れない
〇手袋を装着した後にアルコール消毒と次亜塩素酸ナトリウム消毒
〇手指を極力触れずに手袋を外す
これを毎回できれば高度な衛生環境が保たれるでしょうが、忙しい現場でやれることはこの一部なのが現状です。
従業員全てに実行してもらうには、徹底した衛生管理や勉強会などにより従業員の周知が必要になり、衛生管理責任者の負担は大きくなります。
簡単で効果的な除菌
人が存在する環境において、カビや菌が完全に無くなることはありません。
その前提をふまえて、食品加工の工場ではHACCPに沿った衛生管理をおこないつつ、作業効率を落とさず衛生管理する必要あります。
手袋除菌装置ソルパットは、紫外線により強力かつドライな除菌ができるため「作業者の除菌を短時間で済ませる」ことを可能にしました。
また、除菌したことがわかる「ソルパットアドバンス」は除菌履歴の見える化ができることで、煩雑な衛生管理の簡素化が可能となっています。
作業効率を落とさず衛生管理の向上をお考えであれば、手袋除菌装置ソルパットをご検討下さい。